イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「っ、あの、手を離し……っ」

「答えてくれたら離します。俺の彼女になってくれますか?」

「っ、は、」

「はい?いいえ?」

 私は涙目になる目をギュッと閉じた。

 いいえ、なんて言えない。
 
「っ、はい、はい!」

 もうダメ、高熱と酸欠で倒れそう……っ!

「赤澤くんッ、お願い、離れー……」

 次の瞬間、ギュッと抱きしめられた。

「!?」

「やばい。嬉しい」

 優しい温もりと甘い香りに包まれて、一瞬意識が飛びそうになる。

「っ、赤澤くんっ、わたし答えたよ…っ」

「手は離しました」

「え!?あっ、本当だ!」

「あー可愛い、先輩かわいすぎる」

 切羽詰まった声で言った赤澤くんは、抱きしめる腕に力をこめる。
 
「……これから先輩のこと甘やかしまくるんで。覚悟してくださいね」

 耳元で囁かれて、私は生まれて初めて腰が砕けた。


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