イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「フフッ、苦いよね。これ食べてみて」
 
 男の子に羊羹をすすめる。
 
「……あっま」
 
「フフッ。甘いの苦手?」

「うん」

「でも、苦いお茶と合って優しいでしょ」

「……うん」

「疲れた時は甘いものがいいんだって」

 色々あって疲れてるだろう彼の傷みが、少しでも癒えるといいな。

 ぼんやりとその男の子を眺めていると、初めて男の子が顔をあげてこちらを見たような気がした。

 気がしただけで、本当に見ているかはわからなかった。

 私の眼鏡、今どこにいるんだろう。


「……先輩は甘いの好き?」

「好き!」

「ふ。即答」

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