イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「先輩!」

 男の子の声に、振り返る。

「彼氏いる?」

「えぇ?いないよー」
 
 この地味さを見たら聞かなくても分かることなのに。失礼な質問するなぁ。
 
「好きな男は?」
 
「?いないなぁ」

 なんでそんな質問するんだろう。
 
「じゃあ、待っててください」


 ……なにを?


 首をかしげたところで校内アナウンスが鳴った。


《一年C組、陣内彩美さん。至急、生徒会室に来てください。 繰り返します、……》


「あわわ、行かなくちゃ……!」

「待って彩美!眼鏡!」

「あっ、そうだったそうだった」

 トモちゃんから眼鏡を受け取ってあわあわとかける。

 そして、茶室に残った黒縁眼鏡の男の子と目があった。

 わ、確かにイケメン!

「えっと……お大事に!」

 咄嗟に言うと、イケメン眼鏡くんがクハッと笑った。

「うん、大事にする!」




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