イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
 急いで靴に履き替えて、裏門へ走る。


 私がしようとしてること、間違ってるかも

 全部勘違いかも、大恥をかくかも

 だけど……っ、だけど……!


「依澄くん!!」


 私の声に、依澄くんとララちゃんが同時にこちらを向いた。

 別れて以来初めて見た依澄くんの姿に、私の中に押し込めていた気持ちが爆発して、


「先ぱ……」


 勢いよく依澄くんの背中に抱きついた。


「!」

「っ、ごめんなさい!」


 依澄くん越しに、ララちゃんが「え…?」と小さく驚く声がする。


「やっぱり私、嫌です……!返したくないですっ!」
 

 怖くて、恥ずかしくて、声が震えた。

 それでも私は依澄くんを離したくなかった。


「私、ララちゃんみたいに可愛くないし、明るくないし、知らないこともたくさんあるけど……、」


 依澄くんを抱きしめる手にギュッと力を込めた。


「依澄くんのことが、好きなんです……!!」


 私の一世一代の告白が、青空にとどろいた。


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