イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「……っ、」


 私、なんてことを……!


「先輩」


 依澄くんが隣にしゃがんで、私の顔を覗き込んだ。


「さっき、なんて言いました?」


 ボッと顔に火がついて、火傷したように熱くなった。


「っ、忘れてください……!!」


 私は勢いよく立ち上がって早歩きで逃亡を始めた。

「無理です。一生忘れません」

 依澄くんは長い足を普通に歩かせて隣に並ぶ。

「っ、ごめんっ、ごめんなさいほんとに今日はもう、無理…!」

 やばい! やばいやばい恥ずかしすぎる…! 

「無理?なにがですか?てか先輩、さっきのバックハグ最高だったのでもう一回お願いします」

「出来かねます!」

「そこをなんとか。てかこれどこ向かってるんですか先輩」

「わかんないっ」

 もうやけくそだっ!
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