離婚記念日
お昼を食べるために上がろうとすると太一くんの視線に気がついた。
着ていたラッシュガードが透けて中の水着が見えていた。
「莉美」
私の手を引くとレジャーシートに戻り、無言でバスタオルに巻かれてしまう。
「俺が何か買ってくるからここにいて。絶対バスタオルのままで座ってて」
「あ、うん」
太一くんは何度もタオルを外すなと念を押すと走って海の家へ入って行ってしまった。
バッグの中の飲み物を飲んでいると太一くんはすぐに帰って来た。
手には焼きそばとフランクフルト、それにさっきまで着ていた彼のTシャツがあった。
「ごめん、莉美。そのラッシュガード脱いで」
「え?」
「透けてる。みんなには見せられないからこれを羽織って」
渡されたのは青のTシャツ。
私の水着姿がそんなに恥ずかしいのかな、と悲しくなった。
私はバスタオルを取るとラッシュガードも脱いだ。するとすぐに頭からTシャツを被せられた。彼の匂いがするTシャツは大きくて私の太ももまで隠すくらいだった。
彼の匂いは大好きだけど、なぜか凄く悲しくなった。
膝を抱え、顔を伏せていると太一くんは頭を撫でて来た。
「どうした?」
「ううん。何でもない」
「何でもないってことはないだろ?」
「何でもない」
私が顔を伏せていると横から抱きしめられる。
「さっき俺には何でも言ってと言ってきただろ? 莉美も何でも言って」
私が無言になると優しく頭を撫でられた。
「りーみー」
「……だって」
「ん?」
「麻美と可愛い水着を選んだの。でも……」
「あー……」
彼は頭をかき、ちょっと困ったような表情を浮かべていた。
「なんていうか、これは俺の嫉妬。莉美がこんな可愛い水着を着てたって気が付かなかった。しかもそれをみんなに見せたくないって思ったんだ」
照れ隠しのように何度も頭をかく太一くんの顔はいつもより少し赤い気がする。
「私といると恥ずかしい?」
「バカ。違うだろ。可愛い莉美を見せたくないんだって」
隣に座る太一くんは私を抱き寄せ、頭をまた撫でてくれた。そして耳元で小さく呟いた。
「俺だって初めて見た莉美の水着姿なんだぞ。誰かと共有したくないんだ」
今度は恥ずかしさのあまり顔を上げられなくなってしまった。
着ていたラッシュガードが透けて中の水着が見えていた。
「莉美」
私の手を引くとレジャーシートに戻り、無言でバスタオルに巻かれてしまう。
「俺が何か買ってくるからここにいて。絶対バスタオルのままで座ってて」
「あ、うん」
太一くんは何度もタオルを外すなと念を押すと走って海の家へ入って行ってしまった。
バッグの中の飲み物を飲んでいると太一くんはすぐに帰って来た。
手には焼きそばとフランクフルト、それにさっきまで着ていた彼のTシャツがあった。
「ごめん、莉美。そのラッシュガード脱いで」
「え?」
「透けてる。みんなには見せられないからこれを羽織って」
渡されたのは青のTシャツ。
私の水着姿がそんなに恥ずかしいのかな、と悲しくなった。
私はバスタオルを取るとラッシュガードも脱いだ。するとすぐに頭からTシャツを被せられた。彼の匂いがするTシャツは大きくて私の太ももまで隠すくらいだった。
彼の匂いは大好きだけど、なぜか凄く悲しくなった。
膝を抱え、顔を伏せていると太一くんは頭を撫でて来た。
「どうした?」
「ううん。何でもない」
「何でもないってことはないだろ?」
「何でもない」
私が顔を伏せていると横から抱きしめられる。
「さっき俺には何でも言ってと言ってきただろ? 莉美も何でも言って」
私が無言になると優しく頭を撫でられた。
「りーみー」
「……だって」
「ん?」
「麻美と可愛い水着を選んだの。でも……」
「あー……」
彼は頭をかき、ちょっと困ったような表情を浮かべていた。
「なんていうか、これは俺の嫉妬。莉美がこんな可愛い水着を着てたって気が付かなかった。しかもそれをみんなに見せたくないって思ったんだ」
照れ隠しのように何度も頭をかく太一くんの顔はいつもより少し赤い気がする。
「私といると恥ずかしい?」
「バカ。違うだろ。可愛い莉美を見せたくないんだって」
隣に座る太一くんは私を抱き寄せ、頭をまた撫でてくれた。そして耳元で小さく呟いた。
「俺だって初めて見た莉美の水着姿なんだぞ。誰かと共有したくないんだ」
今度は恥ずかしさのあまり顔を上げられなくなってしまった。