離婚記念日
「手術はいつなの?」
「早めに、と言われて明後日で予約してきました」
「分かったわ。一緒に行ってあげるから」
私は首を振った。通子さんに迷惑をかけるわけにはいかない。
「一緒にいかせて。莉美ちゃんに付き添ってあげたいの」
離婚してここに引っ越してきた私が妊娠していたなんて、通子さんにしたら驚きだろう。離婚する間際までそんな関係にあったなんて不思議に思うかもしれない。
でも、何も聞かずに付き添ってくれようとする通子さんの優しさにすがりたくなった。
母には離婚をする話をした時、太一くんと話し合うべきだと何度も説得された。でも私の決心が揺らいでしまうのが怖くて出来なかった。そんな私をため息混じりに渋々受け入れてくれた。太一くんがもし尋ねてきた時に、嘘をつかせるのが嫌で今の住所は母にも教えていない。
誰も知らない土地で頼れるのは町田さん夫婦だけだった。
ようやく涙が落ち着いたところでゆず茶を淹れてくれた。甘くて、温まる。涙で乾き切った体に染み渡るようだった。
「早めに、と言われて明後日で予約してきました」
「分かったわ。一緒に行ってあげるから」
私は首を振った。通子さんに迷惑をかけるわけにはいかない。
「一緒にいかせて。莉美ちゃんに付き添ってあげたいの」
離婚してここに引っ越してきた私が妊娠していたなんて、通子さんにしたら驚きだろう。離婚する間際までそんな関係にあったなんて不思議に思うかもしれない。
でも、何も聞かずに付き添ってくれようとする通子さんの優しさにすがりたくなった。
母には離婚をする話をした時、太一くんと話し合うべきだと何度も説得された。でも私の決心が揺らいでしまうのが怖くて出来なかった。そんな私をため息混じりに渋々受け入れてくれた。太一くんがもし尋ねてきた時に、嘘をつかせるのが嫌で今の住所は母にも教えていない。
誰も知らない土地で頼れるのは町田さん夫婦だけだった。
ようやく涙が落ち着いたところでゆず茶を淹れてくれた。甘くて、温まる。涙で乾き切った体に染み渡るようだった。