離婚記念日
「莉美ちゃん楽しんでる?」

いつもこうして気にかけてくれ、さりげなく困っていないか見に来てくれる。

「はい。いつも楽しいです」

「良かった。俺が誘ったから何かあればいつでも言ってよ。責任持って懲らしめるから」

こんなに可愛がっているじゃないか、何かあるはずない!とみんなは先輩に口々にブーイングが飛んだ。
そっか。自分が誘い込んだから気にしてくれていたのか、と少しだけがっかりしてしまった。
するとさっきよりも近い距離で「それだけじゃないけどね」と何か意味深なことを言って笑っていた。
その表情に胸がギュッと掴まれたように苦しくなった。
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