離婚記念日
無理、と今まではすぐに返していたが今日はそう出来なかった。
本心と違う自分の心に嘘をつき続けるのが苦しくなっていた。
揺れ動く私の気持ちを読み取り、太一くんは私の目をじっと見つめてくる。
どうしよう。
この手をとっていいの?
でも、ふと両親のことが頭に浮かんだ。
「太一くんのご両親はなんて言ってるの?」
私の不意な質問に一瞬言葉が出てこなかった。
隠し事の苦手な太一くんらしい。
むしろ両親を隠し続けられたあの時を思い出すと意外なくらい。
「ご両親は認めてないんでしょう?」
「大丈夫。仕事も順調で、後継者として揺るぎない立場を確実にしてきているから」
太一くんの言葉は本当だろう。仕事は順調なのかもしれない。でも両親が賛成してるようには聞こえない。
こればかりはどうにもならない。
私たちがよくても周りから認めてもらえないのなら、このままの方がいい。
「ありがとう。でも……」
「まだ言わないで。莉美の断りはもう聞きたくない。まだ頑張らせて欲しいから結論をすぐに出さないで」
そう言うと、苦笑いを浮かべ彼は話を変えた。私もこのままこの話を続けるのは辛かった。
うどんを食べ終わると薬を飲み、またベッドに入った。
私はベッドの下に座布団を並べ、横になった。太一くんには交代しよう、と言われたが、体調の悪い彼にはゆっくり寝て欲しかった。私はさっさと横になった。太一くんは渋々私のベッドに横になると、またあっという間に寝息を立てていた。
本心と違う自分の心に嘘をつき続けるのが苦しくなっていた。
揺れ動く私の気持ちを読み取り、太一くんは私の目をじっと見つめてくる。
どうしよう。
この手をとっていいの?
でも、ふと両親のことが頭に浮かんだ。
「太一くんのご両親はなんて言ってるの?」
私の不意な質問に一瞬言葉が出てこなかった。
隠し事の苦手な太一くんらしい。
むしろ両親を隠し続けられたあの時を思い出すと意外なくらい。
「ご両親は認めてないんでしょう?」
「大丈夫。仕事も順調で、後継者として揺るぎない立場を確実にしてきているから」
太一くんの言葉は本当だろう。仕事は順調なのかもしれない。でも両親が賛成してるようには聞こえない。
こればかりはどうにもならない。
私たちがよくても周りから認めてもらえないのなら、このままの方がいい。
「ありがとう。でも……」
「まだ言わないで。莉美の断りはもう聞きたくない。まだ頑張らせて欲しいから結論をすぐに出さないで」
そう言うと、苦笑いを浮かべ彼は話を変えた。私もこのままこの話を続けるのは辛かった。
うどんを食べ終わると薬を飲み、またベッドに入った。
私はベッドの下に座布団を並べ、横になった。太一くんには交代しよう、と言われたが、体調の悪い彼にはゆっくり寝て欲しかった。私はさっさと横になった。太一くんは渋々私のベッドに横になると、またあっという間に寝息を立てていた。