離婚記念日
お互いの両親に認められ、私たちは改めて入籍する決意をした。
町田さん夫妻に話すと、とても喜んでくれた。道子さんは泣きながら私の手を取り、何度も「良かった」と言ってくれた。
本当にここで働けて良かった。ここで支えてもらわなければ、私はどうなっていたか分からない。ボロボロの私を常に見守っていてくれたふたりには感謝しかない。
結婚するため、私はまた東京に戻ることになるが、第二の親のような存在のふたりと離れるのはとても寂しい。
「またいつでも遊びに来たらいいわ。莉美ちゃんの子供にも会いたいもの。伊豆のおばあちゃんにならせてね」
「はい。本当にありがとうございました」
私も涙が止まらなくなり、嗚咽が溢れる。ここに来た時は本当にボロボロで、追い打ちをかけるように流産をした。そんな時いつでも支えてくれたのはふたりだった。病院に立ち会ってくれたり、生活を支えてくれたりと私にとってなくてはならない存在になっていた。
「町田さん。莉美のこと、本当にありがとうございました」
付き添ってくれた太一くんもふたりに深々と頭を下げてくれた。
私の部屋に戻ると引越しの準備をするが、本当に何もない空虚な部屋だと改めて思った。何もかも大切なものを無くし、何もない私にピッタリな最低限のものしかない部屋だ。飾るものもなく、好きだった可愛い雑貨もない。生きて行くために最低限の生活ができるだけの部屋。改めて考えるとここに数年もいたとは思えないくらいだった。
「莉美の居場所はここじゃなかったんだよ。元ある姿に戻ろう」
太一くんが私の肩に手を乗せる。
私も大きく頷いた。
車に必要なものを乗せ、私は助手席に座った。大きくなりつつあるお腹に負担がかからないよう背もたれを倒し、ブランケットをかけてくれる。
「時間がかかるから少し休むといいよ」
優しい声に頷く。
運転する彼のシャツの裾をそっと掴むと、その手を見て笑っていた。私の手をポンポンと叩くと、彼はハンドルを握った。
町田さん夫妻に話すと、とても喜んでくれた。道子さんは泣きながら私の手を取り、何度も「良かった」と言ってくれた。
本当にここで働けて良かった。ここで支えてもらわなければ、私はどうなっていたか分からない。ボロボロの私を常に見守っていてくれたふたりには感謝しかない。
結婚するため、私はまた東京に戻ることになるが、第二の親のような存在のふたりと離れるのはとても寂しい。
「またいつでも遊びに来たらいいわ。莉美ちゃんの子供にも会いたいもの。伊豆のおばあちゃんにならせてね」
「はい。本当にありがとうございました」
私も涙が止まらなくなり、嗚咽が溢れる。ここに来た時は本当にボロボロで、追い打ちをかけるように流産をした。そんな時いつでも支えてくれたのはふたりだった。病院に立ち会ってくれたり、生活を支えてくれたりと私にとってなくてはならない存在になっていた。
「町田さん。莉美のこと、本当にありがとうございました」
付き添ってくれた太一くんもふたりに深々と頭を下げてくれた。
私の部屋に戻ると引越しの準備をするが、本当に何もない空虚な部屋だと改めて思った。何もかも大切なものを無くし、何もない私にピッタリな最低限のものしかない部屋だ。飾るものもなく、好きだった可愛い雑貨もない。生きて行くために最低限の生活ができるだけの部屋。改めて考えるとここに数年もいたとは思えないくらいだった。
「莉美の居場所はここじゃなかったんだよ。元ある姿に戻ろう」
太一くんが私の肩に手を乗せる。
私も大きく頷いた。
車に必要なものを乗せ、私は助手席に座った。大きくなりつつあるお腹に負担がかからないよう背もたれを倒し、ブランケットをかけてくれる。
「時間がかかるから少し休むといいよ」
優しい声に頷く。
運転する彼のシャツの裾をそっと掴むと、その手を見て笑っていた。私の手をポンポンと叩くと、彼はハンドルを握った。