悲劇のフランス人形は屈しない
白石透とは入れ違いで、蓮見が姿を現した。
「何があったのか皆に聞いてみたけど、誰も見てなかったって。でも白石ちゃんがいきなりプールに飛び込むとは思えないんだよな~」
自分のベッドにどかっと座り、蓮見は言った。
「どうしたの?」
立ったままでいる天城に声をかける。
「白石ちゃんと何かあった?あ、もしかして、泣いちゃって、面倒くさいことになった?やっぱ、プールパーティーに呼んだのは間違いだったか~」
「あいつ、水が怖いって言ってなかったか?」天城が聞いた。
「うん。かなり苦手だったね。小学生の時、あまりにしつこく付きまとってくるから、水かけて追い払ったよね。あのとき、大泣きしてたっけ。カナヅチだってのも知ってたから、俺たちいつもプールか海に逃げてたしね」
天城は蓮見の方に顔を向けた。
「あいつ、水の中で何してたと思う?」
「え、溺れてたんじゃないの?だから、お前が助けたんじゃ・・・」
驚いたように蓮見は天城を見つめた。
「様子を見ていたんだと」
「どゆこと?」
「好奇心で、水中から周りの様子を見ていたらしい」
「は?」
理解出来ないと蓮見の表情が物語っている。
「俺の助けなんか必要なかった」
手を額に当てて蓮見が天城を制した。
「ちょ、ちょっと待って。確かに、海斗の言う通り、最近の白石ちゃんは雰囲気が以前と違うなとは思っていたけど。水中で様子見って・・・もはや、全くの別人じゃん!誰それ!」
「本当にあいつが白石透かを確かめる方法が一つある」
「・・・あれをやるの?」
蓮見が聞いた。
「いいの?大事(おおごと)にならない?」
「どう転んでも俺には害はない」
「ま、海斗がそう言うなら別にいいけどさ。あまりかき回さないでよ。最近の白石ちゃん、面白いんだから。また以前のウジウジしつこい白石に戻ると嫌だな~」
「分かっている」
天城は小さく呟いた。
「何があったのか皆に聞いてみたけど、誰も見てなかったって。でも白石ちゃんがいきなりプールに飛び込むとは思えないんだよな~」
自分のベッドにどかっと座り、蓮見は言った。
「どうしたの?」
立ったままでいる天城に声をかける。
「白石ちゃんと何かあった?あ、もしかして、泣いちゃって、面倒くさいことになった?やっぱ、プールパーティーに呼んだのは間違いだったか~」
「あいつ、水が怖いって言ってなかったか?」天城が聞いた。
「うん。かなり苦手だったね。小学生の時、あまりにしつこく付きまとってくるから、水かけて追い払ったよね。あのとき、大泣きしてたっけ。カナヅチだってのも知ってたから、俺たちいつもプールか海に逃げてたしね」
天城は蓮見の方に顔を向けた。
「あいつ、水の中で何してたと思う?」
「え、溺れてたんじゃないの?だから、お前が助けたんじゃ・・・」
驚いたように蓮見は天城を見つめた。
「様子を見ていたんだと」
「どゆこと?」
「好奇心で、水中から周りの様子を見ていたらしい」
「は?」
理解出来ないと蓮見の表情が物語っている。
「俺の助けなんか必要なかった」
手を額に当てて蓮見が天城を制した。
「ちょ、ちょっと待って。確かに、海斗の言う通り、最近の白石ちゃんは雰囲気が以前と違うなとは思っていたけど。水中で様子見って・・・もはや、全くの別人じゃん!誰それ!」
「本当にあいつが白石透かを確かめる方法が一つある」
「・・・あれをやるの?」
蓮見が聞いた。
「いいの?大事(おおごと)にならない?」
「どう転んでも俺には害はない」
「ま、海斗がそう言うなら別にいいけどさ。あまりかき回さないでよ。最近の白石ちゃん、面白いんだから。また以前のウジウジしつこい白石に戻ると嫌だな~」
「分かっている」
天城は小さく呟いた。