初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
1.
「君を愛するつもりはない」
夫となったイアン・ダリルが冷たく言い放った。
彼は湯浴みを終えてからここに来たのだろう。金色の髪は、毛先だけがほんのりとしめっている。これからの行為を期待させるような淫靡さを醸し出しているが、キリッと引き締まった深緑の眼は、冷たく彼女を見つめていた。
「聞こえなかったのか? 俺は君を愛さない。つまり、君を抱くつもりはないということだ」
冷たい声が胸に突き刺さる。ぎゅっとナイトドレスの裾をにぎりしめた。
今夜は初夜と呼ばれるような日である。それにもかかわらず、彼は妻となった彼女を抱かないと、はっきりと口にしたのだ。
「わかったな? わかったなら、返事くらいしよ」
「承知しました……」
彼女のその言葉に満足したのか、イアンはふんと鼻を鳴らして部屋を出ていった。
「なんで、こんな女と結婚したのか……」
彼がそう呟いたのは、彼女の耳にもしっかりと届いていた。
夫となったイアン・ダリルが冷たく言い放った。
彼は湯浴みを終えてからここに来たのだろう。金色の髪は、毛先だけがほんのりとしめっている。これからの行為を期待させるような淫靡さを醸し出しているが、キリッと引き締まった深緑の眼は、冷たく彼女を見つめていた。
「聞こえなかったのか? 俺は君を愛さない。つまり、君を抱くつもりはないということだ」
冷たい声が胸に突き刺さる。ぎゅっとナイトドレスの裾をにぎりしめた。
今夜は初夜と呼ばれるような日である。それにもかかわらず、彼は妻となった彼女を抱かないと、はっきりと口にしたのだ。
「わかったな? わかったなら、返事くらいしよ」
「承知しました……」
彼女のその言葉に満足したのか、イアンはふんと鼻を鳴らして部屋を出ていった。
「なんで、こんな女と結婚したのか……」
彼がそう呟いたのは、彼女の耳にもしっかりと届いていた。
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