心〜希望をくれた君〜
「ああ。」

僕にだけ答えた漣斗。

「ねぇ〜!無視しないでー!」

「無視すんな!!」

「……漣斗。」

うるさいなぁ、いつものことだろ。

「うるせぇ、黙れ。」

瞬殺。これもいつもどおり。

「唯花。姫にならないか。」

「「「えっ!!」」」

驚いた。女に無関心の漣斗が姫をつくろうとしてるのか…。

でも、さっきの光景を見たから納得している自分もいた。

「無理。漣斗達って暴走族だったんだね。」

「「「なっ」」」

これには本当に驚いた。僕のことだけじゃなく、僕たちが暴走族ってことも知らなかったのか。

「ああ、そうだ。希龍という暴走族で、関東No. 1だ。なぜ姫にならない。」

「なんででも。姫には…なれない。」

そう言って、屋上を出た唯花。
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