心〜希望をくれた君〜
コトッ
置く時に少し音が立ったから、春希が顔をあげた
「……サンキュ。」
えっ
「う、うん。どうぞ。」
またまた動揺しちゃったよ
睨まれるのはもう勘弁してよね
………沈黙。
とその時、春希が読んでる本が視界に入った
「その本…。」
思わず呟いた。私が興味深いと思って何回か読んだ本だったから
あ、ちなみに好きって感情が分からないだけで、それ以外は分かるから
「……なんだよ。話しかけてくんな。」
「ごめん。でもその本いいよなって思って。」
「……この本知ってんのか。まあ、俺が好きな本だ。」
ちょっと顔をこっちに向けて話す春希
初めて顔を見たかも…
前髪が長くてよく見えなかったけど、目が、瞳が、紫だった
「…綺麗な瞳。」
「は?」
ものすごく驚いている春希。
今のどこに驚くの?