愛でられて、絆される
嬉しい再会
絆奈が、キングサイズのベッドに横になっている。

「━━━━んん…」

ふわふわした心地良いシーツの肌触りと、洗剤の良い香り。

ゆっくり目を開けると━━━━

「………ん?あれ?」
(ここ、何処?
…………てか…)

「凄い、部屋……!」

部屋の中を見渡す。
ホテルの一室のようで、しかも……

「ここ、スイートルーム?
え?え?なんで?
なんで私……」

ソファの背もたれに、男性用のスーツが掛かっていた。
「え?だ、誰!?」

すると、奥の扉がガチャと開いた。


「え━━━━」

「あ!起きた?
良かったぁ。
これ以上待たされたら、我慢できなくて襲っちゃうところだったよ!(笑)」

「なん…で?」

「フフ…やっぱ、可愛いなぁー絆奈!」

「……/////」

微笑み近づいてくる人物は━━━絆奈の憧れで、初恋の人・由利原 那王だった。


「あ、あの…」

「ん?なぁに?」
ベッド脇に腰掛け、絆奈の頬に触れる那王。

「私、なんで、ここ、に?」

「え!?
覚えてないの!?」

「う、うん…」

「嘘!?どこから、覚えてないの?」

「えーと……」

「同窓会に来たことは、さすがに覚えてるよね?」

「うん」

「僕が声をかけて、二人で庭に出たことは?」

「うん/////覚えてるよ/////
あ、でも…そこからが……曖昧…」

「確かに、かなりワイン飲んでたけど……
嘘でしょ!?
…………てことは!僕と付き合ってくれないの!?」

「………」

「ねぇ、絆奈!
あれは、酔ってたからなの!?
“好き”って言ってくれたよね!?」

「………え?」

「嘘…だ、よね…?
僕、今更無理だよ?
また、片想いを続けるなんて出来ない!!
キス、したでしょ?
このまま、抱かせてくれるって言ったじゃん!?」

「━━━━━ま、待って!!
由利原くん、何を、言って…る、の?」

「………」

「由利原、くん?」

「僕はね、今日の同窓会凄く楽しみにしてたんだ━━━━━」



那王の口から説明された出来事は、絆奈にとって幸せで……これから起こる、夢のような人生の幕開けだった━━━━━━
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