愛でられて、絆される
「━━━━ほんと、幸せオーラ凄いな!(笑)」

絆奈が勤める、フラワーショップ・FLOWER AVE。
那王と交際するようになって、誰もがわかる程の幸せオーラを醸し出している絆奈。

絆奈が尊敬する先輩店員・島山(しまやま)に声をかけられた。

「あ、はい!」
満面の笑みで返事をする。

「“はい!”だって(笑)
でもまぁ…綺麗になったよなぁ、一橋」

「え?そ、そうですか?」
(は、恥ずかしい//////)
照れたように笑う。

「あぁ。
ほら“恋は女を綺麗にする”って言うが、あれほんとだな!(笑)」

「フフ…ありがとうございます/////
でも、褒めても何も出ないですよ?(笑)」

「は?お前から何か貰おうとしてねぇよ!(笑)」

「フフ…ですよね(笑)」
「………」
微笑み見上げる絆奈を、見つめる。

「ん?先輩?」

「いや…何も……」
島山は、自身の髪の毛をクシャクシャと乱暴にかき、絆奈から視線を逸らした。


そこに、島山が呼ばれる。
「島山さーん!もうそろそろ行かないとー」

「あ、おぅ!
━━━━━じゃあ俺、打ち合わせに行ってくっから!」

「あ、はい!行ってらっしゃい!」

そう言って行こうとして、島山がピタリと立ち止まり振り返った。
「ん?島山さん?」

「一橋も行くか?」

「へ?」

「何事も経験だしな!
━━━━━よし!来い!5分で準備しろ!!」

「は、はい!」


島山の運転で、FLOWER AVEの社用車に乗り込んだ絆奈。

「━━━━━━あの、今日は何処の営業ですか?」
「ん?あ、言ってなかったな。
HONAMI Jewelry だ!」

「え…!?」
「今回は、向こうから連絡があってな。
店内を華やかにしてほしいとか言ってて。
だから今から、詳しい話をしに行くんだ」

「……/////」
(嘘…那王くんとこだ……)
絆奈は慌てて、手鏡を出す。
そして髪の毛や顔のチェックを始めた。

「ん?おいおい…
身だしなみのチェックは必要だが、女を出す必要はねぇぞ?(笑)」

「え?あ…す、すみません…」

「でもどうした?
一橋らしくねぇな。
━━━━━あ!HONAMI Jewelry って言えば、イケメン揃いだからなぁー
それ目当てか!(笑)
でもお前、彼氏いんじゃん!」

「いえ…あの……」
(言うべき?
いや、でもそれは関係ないし……)

「一橋?」

「いえ!
やっぱ、イケメンさんばかりなので!
きちんとしないとと思って(笑)」

「……ったく…(笑)」
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