愛でられて、絆される
「それ、オーナー持ってるよ」
そんな絆奈に、袴田が言う。

「え?あ、そうなんですね(笑)」

「オーナーにプレゼントしたいの?
だったら、ここの商品じゃない方がいいかも?」

「え?」

「オーナー、ここの商品はだいたい持ってるからね!
宣伝のために、自分でつけるようにしてるから」

「そうなんだ…」

「…………アドバイスしてやろうか?」

「え?」

「オーナーにプレゼントしたいんだよね?」

「え?あ…」

「これにしてくださーい!」
そこに、岸峰が会話に入ってくる。

「あ、はい!こちらですね!」
袴田が包むために一度席を外した。


「━━━━はっきり言えば良いのに!」
袴田が奥に行くのを見送りながら言う、岸峰。
「え?」

「嫌って!」

「岸峰さん…」

「気をつけた方がいいよ?あのタイプの人は」

その後も袴田に誘われたが、岸峰が上手く断ってくれて二人は店を出た。

「ありがとう!おかげでいいアクセ買えたわ!」
「良かったですね!」

「次は、一橋さんね!
“服を買いたい”のよね?」

「はい!あと、メイクとかも。
岸峰さん綺麗だし、アドバイスをいただけたらと……」

「ん!了解!」


デパートへ行き、岸峰のアドバイスを聞きながら服や化粧品を買った絆奈。

その後、カフェでお茶をしていた。
「━━━━結構、買ったわね(笑)」
「はい!
なんか、気持ちいいですね!こんな沢山の買い物」

「フフ…そうね!
買い物でストレス発散する人の気持ちがわかるわよね(笑)」
「フフ…ですね(笑)」

「デート、今度いつ?」
「明日です!」

「そっか!
素敵なデートにしてね!」
「岸峰さんも!
喜んでくれると良いですね!」

その後も、岸峰と楽しく恋バナで盛り上がったのだった。


そして次の日。
早速買った服や、岸峰に教わったメイクで那王と待ち合わせ場所に向かった絆奈。

那王はまだ来てなくて、那王が来るのを待つ。

「うー、ドキドキする…」
普段着たことない服装の絆奈。
那王の反応が楽しみで、不安でもある。

するとスマホの着信音が鳴り、那王からメッセージが入ってきた。

【遅くなってごめんね。
今、向かってます!
もうすぐ着くよ!】

絆奈は“了解”のスタンプを送り【気をつけてね!】と返信した。
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