愛でられて、絆される
しかし、沢山の同級生達に囲まれている那王。

なかなか近づくことが出来ない。
控え目な絆奈に、少し強引に入り込むことも出来なかった。

諦めかけていた、その時。

不意に、那王と目が合ったのだ。

『え……』
(目…あっ、た…//////)

那王は、一度目を見開く。
でもすぐ、ふわりと微笑んだ。

絆奈も、自然と微笑む。
心臓がドクン…!と、大きく動いた。

気恥ずかしくなり、視線を逸らしてしまう。

そしてその場を離れた。

『…………やっぱ、無理…//////
由利原くん、カッコ良すぎて…近づけないよ…/////』
会場の端で、顔を真っ赤にして独り言を呟いた。

とりあえず、遠くから見つめていよう。
そのくらいなら良いだろう。

そう思って、那王をまた見つめようとすると…

『あ、あれ?』
(いない!?)

まさか!!帰ったとか!!?

『あ、ね、ねぇ!由利原くんは?何処かな?』
近くにいた同級生に慌てて聞く。
『ん?あ、トイレみたいだよ』

『あ、あ…そ、そっか!』
ホッと肩を撫で下ろした。

それから、好きなワイン片手に那王が戻ってくるのを待っていた絆奈。

すると、後ろから━━━━━

『一橋さん!』
那王の声が聞こえてきた。

『え…/////』
振り向くと、微笑んだ那王が立っていた。

『やっと、逢えた……!』

『え?え?』

『あ…話しかけちゃ、ダメ…だったかな?』

『え?』

『僕のこと、覚えてるよね?
由利原 那王』

『もちろん!!』
つい、前のめりになってしまう!

『フフ…
ねぇ、向こうで話さない?
今日は暖かいし、庭に出よ?
一橋さんと、二人だけで話したいんだ!』

『……/////』
(“二人だけ”/////)

「行こ!」


那王と絆奈は、会場を出てすぐの庭に出た。
季節は春で、今はGW真っ只中。

暖かい風が、優しく二人を包み込む。

『一橋さん、綺麗になったね!』

『え?//////』

『中学の時は、可愛い~って感じだったけど!』

『そんな…/////
由利原くんこそ……』

『ん?僕こそ?なぁに?』
首をかしげ、微笑む。

『……/////あ、あの…』

『何?言って?』

『益々、綺麗になってる…/////』

『そう?』

『うん/////』

『フフ…嬉しい!』

那王は、嬉しそうに笑っていた。
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