愛でられて、絆される
そして━━━━次の日の朝。

スマホのアラームが鳴り、絆奈が那王の腕の中でもぞもぞしだす。
「んん…
……………んー、起きなきゃ…
でも、あと5分…」
一旦アラームを止め、また那王の腕の中に潜り込む。

5分後、スヌーズ機能でまたアラームが鳴った。
「ん…も…あと5分……」
またアラームを止めて、那王の腕の中に潜った。

また5分後アラームが鳴る。
「んーー!
……………よし!」
今度は目を覚まし、ゆっくり起き上がった。

伸ばされている那王の腕をゆっくりさする。
「痺れてませんように……」

そう呟いて、那王を起こさないようにベッドを下り寝室を出た。
すると、パチッと那王の目が開いた。

「あーあ…行っちゃった……」
実は、絆奈のアラームが鳴る前から目が覚めていた那王。
寝たフリしてたら、キスでもしてくれるのではと思ってジッとしていた。

「………って…するわけないか!(笑)
控え目ピュアな絆奈だもんなぁー(笑)」
クスクス笑いながら、絆奈が寝ていた部分を手でなぞる。

「………………ベッド…こんな広かったっけ?」
そして、少し切なくポツリと呟いた。


一方の絆奈。
朝食を作っていた。

「あ!お弁当いるか聞くの忘れてた!
……………てか那王くん、お弁当持ってるのかな?」
適当に棚を開けてみる。
が、見当たらない。

「………うーん…とりあえず今日は私もなしにして、明日からいるか聞こう!
私だけお弁当があると、なんか嫌な感じだもんね。
よし!それでいこう!!」

「………ご飯は……もうすぐ炊ける。
お味噌汁は、OK!
焼魚とお浸しと……あ!玉子焼!焼かなきゃ!」

ひたすら独り言を呟きながら調理をしていた、絆奈。
不意に、フフ…!と笑い声が聞こえてきた。

「━━━━へ?
え?那王くん!!?」

「あ…バレた……(笑)」

「え?え?」

「絆奈の独り言、聞いてたんだ!
あまりにも可愛くて(笑)」

「い、いつから?」

「那王くん、お弁当持ってるのかな?から!」

「……/////」
(結構前からだ/////
は、恥ずかしい/////)

「フフ…可愛い!
おはよう、絆奈!」
「おはよう/////」

顔を赤くしている絆奈に、両手を広げる那王。
「ほら!ハグとキスしようよ!」

「……/////」
絆奈は、照れたように笑って抱きついた。
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