愛でられて、絆される
「━━━━日に日に綺麗になるわね、一橋さん!」

その日のランチ。
岸峰と、近くのレストランにいる絆奈。

頬杖をつき、微笑んでいる岸峰が言った。

「そ、そうですか?/////
岸峰さんみたいな美人さんに言われると、嬉しいです!」

「自信持ちなよ!
一橋さんは、十分可愛いよ!
ちっちゃくて、ほんわかしてて、なんか…持って帰りたくなる!」

「も、持って帰る?(笑)」

「そ!ぬいぐるみみたい!
そうだなぁ、小熊のぬいぐるみみたいな!」

「えー!(笑)
でも、岸峰さん家なら、良さそうです(笑)
綺麗なお花に囲まれて、美味しいご飯食べさせてくれそうです!」

「フフ…良いわよ~!
美味しいご飯食べさせてあげるー!」
「フフ…」


そして、食後のコーヒーを飲みながら岸峰が言った。
「あ!
一橋さん、今日の夜ってあいてる?」
「え?」

「たまには、飲みに行かない?」

「え?はい!
あ、でも彼に聞いてからでもいいですか?」

「うん、構わないけど……
もしかして、会う約束してる?彼と」

「あ、あの…/////
彼と、ど、同棲を始めたんです/////」

「そうなの!!?
そっかぁー!
フフ…
それで、そんな幸せそうなんだー!」

「……/////」


【お疲れ様!
今日、友達に夜食事誘われたんだけど、行ってきてもいいかな?】

那王にメッセージを入れると、すぐに電話がかかってきた。
『━━━━絆奈!?
友達って誰?』

「え?岸峰さんだよ」

『あ、確か…同僚の“女の”人だよね?』

「う、うん、女の人だよ。
年上の方なんだけど、同時期に入ったから仲良くさせてもらってて」

『わかった。
終わったら、連絡必須だよ?
僕が迎えに行くから!
あと、男の人に声をかけられたら、はっきり“婚約者がいる”って言うんだよ?
ナンパされたからって、喜んじゃダメだからね!』

「あ…わかった(笑)気をつけます!」

『あ!絆奈、首につけてる結婚指輪、薬指にはめられないよね?
僕の推定サイズだからなぁ…』

「え?はまらないことはないよ?
少し、大きいかなって感じだから」

『じゃあ、食事の間だけでいいからはめてて!
もちろん、左手の薬指に!!』

「え?う、うん。わかった」

『それなら“既婚者か婚約中”って牽制できるよね?
お願い!心配だから、指輪はめて食事して?』
< 39 / 68 >

この作品をシェア

pagetop