愛でられて、絆される
それから、沢山の想い出話をした二人。

話し声や笑い声がやむことがないくらいに、二人は微笑み合って話し尽くしていた。

『━━━━━それで、一橋さんバケツをひっくり返して………』
『あ!/////そうだったね(笑)
フフ…
あの時、由利原くんが最後まで掃除手伝ってくれたよね?』

『そりゃ、そうだよ!
少しでも、一緒にいたかったし!』

『え…//////』

『………』
不意に那王が、真剣な眼差しになる。

『由利原、くん?』

『一橋さん』

『ん?』

『一橋さん、今、付き合ってる人いる?』

『え?いない…け、ど…』
(え?え?なんで、そんなこと聞くの?
もしかして、由利原くん私のこと………/////)

都合の良い想像をして、ボン!と顔が赤くなる。
絆奈は、持っていたワインをまるで水でも飲むようにがぶ飲みした。

『え!?一橋さん!!?
そんな一気に━━━━━━』

『う…/////』
(ヤバ…一気に酔いが……)

急にクラクラし始め、絆奈は思わず那王のジャケットを掴んだ。

『一橋さん、大丈夫!?』

『え?ん、大丈…夫……だ、よ。
ごめんなさい、急に…握ったりして……』

『大丈夫じゃないよね…絶対……
待っててね、水持ってくるから!』
頬に触れ、頭をポンポンと撫でた。

『ん…ありがとう…/////』
潤んだ目で見上げる。

『……//////』
顔を赤くする、那王。
急いで水を持ってくると、絆奈は目を瞑り空を見上げていた。

その横顔が、あまりにも綺麗で…那王の心を更に甘い痛みが襲う。

『一橋さん、はい。水だよ!』

『ありがとう!』
にっこり微笑む絆奈に、那王の心は更に奪われる。

『一橋さん』

『ん?』

『僕、ね…/////
一橋さんのことが、好きなんだ!
今日逢えるの、スッゴく楽しみにしてて…
………………だから!
今、付き合ってる人いないなら、僕と━━━━━え?』

絆奈は目が潤み、顔を更に赤くして見上げていた。

『私も好き!
由利原くんが、大好き!』
はっきりとした口調で、微笑み言った。

『ほ、ほんと?//////』

『うん!
フフ…嬉しい!夢みたい……!』
顔を綻ばせて微笑む絆奈に、愛しさが増す。

那王は、絆奈を抱き締めた。
『うん、うん!僕も、夢みたいだよ!』

そして向き直り、那王が絆奈の頬に触れる。
『一橋さ…あ、いや、絆奈って呼んでいい?』

『………//////うん…/////』

『絆奈、好き…大好きだよ…!』

『私も、由利原くんが大好きだよ!』

『フフ…ねぇ、絆奈。
ここ…ここにキス、していいかな?』
絆奈の口唇をなぞり微笑む。

『フフ…
━━━━━━━//////』

絆奈は頷くと“自分から”那王の口唇に押し当てるように口唇を重ねた。




「━━━━━━ちょっと待って!!!!」

そこで現実に引き戻すように、絆奈の声が響き渡った。
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