愛でられて、絆される
加速する愛情
「━━━━え?駅?
私も、駅にい………あ!那王くん、回れ~右!」

駅まで岸峰と来て、那王に連絡した絆奈。
那王も居酒屋を出て駅にいることがわかり、絆奈は周りをキョロキョロをして探す。

スマホを耳にあてている那王の後ろ姿を見つけた、絆奈。
フフ…と微笑んで言った。

後ろ姿の那王が、振り返る。
絆奈は控え目に手を振った。

絆奈に気づいた那王が、ふわりと笑う。
真っ直ぐ絆奈を見て、甘くて、柔らかくて、熱い視線。

「………」
(わ…ほんとに、一橋さんのこと大好きなんだ…!)
絆奈と一緒に見ていた岸峰が、那王の表情を見て思う。

通話を切って、足早に近寄ってきた。
袴田達も追いかけてくる。
「絆奈!おかえり!」
「「「お疲れ様!」」」

「フフ…ただいま!袴田さん達も、お疲れ様です。
袴田さん達と外食してたの?」
微笑み、袴田達を見て言った。

「うん、奢ってって言われて(笑)」
「フフ…そっか!」

「こんばんは!絆奈がお世話になってます!」
「こちらこそ!
一橋さんには、いつも癒されてます!」
岸峰に挨拶する那王に、岸峰も微笑み言った。

「フフ…絆奈、癒してるの?(笑)」
「へ?そ、そんなことは…/////
私の方こそ、岸峰さんを見て心が洗われてるよ?
お花に囲まれた岸峰さんは、まさにお姫様だから…/////」

「またまた~(笑)
じゃあ、私はここで!」

「あ!待ってください!
那王くん、ちょっと遠回りになるけど、岸峰さんを送って帰りたいんだけどいいかな?」
「うん、もちろん」

「え?いいよ?
そんな遠くないし、大丈夫だよ!」
「いやでも……こんな私でさえ、この前ナンパされたんですよ?
岸峰さんだったらもう……ナンパされ放題だと思うんです。だから━━━━」

「そんなことないよ?
それに、確実にかわせるし」
「でも……」

「だったら、俺が送ろうか?」
「そうそう、俺達が送りますよ?」
絆奈と岸峰の様子を見て、袴田が言った。


結局袴田達に岸峰を任せて、那王と絆奈は帰路についた。

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