愛でられて、絆される
「弁当、良いのあった?」
指を絡めて手を繋ぎ、ゆっくり歩きながら絆奈を見下ろす。

「うん!
ちょうど良さそうなのがあったよ!
少し大きめのおにぎりが二つ入るくらいの」

「そっか!ありがとう!」


そして自宅マンションに帰りつき、ソファに並んで座る。
いつものように、那王が絆奈を愛でる。

「んー、やっとおもいっきり絆奈に触れられる!」
「ん…」

口唇や頬にキスを繰り返し、不意に左手を取った那王。
薬指に、指輪の上からキスを落とした。

「なんか、幸せ…/////
絆奈の指に“僕のモノ”って印があるみたい!」

「……/////」

「このまま…つけててほしいな……なんて(笑)」

「あ…」

「………って、ごめん。
いくらなんでも、ワガママが過ぎるよね…(笑)」
自嘲気味に笑う那王。


(私だって、ずっと…つけてたいよ……)
「………いいの、かな?ほんとに…」

「え?」

「那王くんのお嫁さん、私でいいの?」

「………どうして…そんなこと、言うの?
僕は、絆奈がいいんだよ?
だから、指輪を贈ったんだよ?
大好きだから、ずっと傍にいてほしいから」

那王は、声が震えていた。
どうして今更、そんなことを言うのだろう。
この狂おしい気持ちは、どうすれば届くのだろう。

「僕は、絆奈がいい!
絆奈と一緒にいたい!
絆奈が傍にいてくれないと、幸せになれない!」


“大切なのは“気持ち”だよ”
不意に、岸峰の言葉が蘇った。

気持ちはあくまでも、見えないモノ。
だからその気持ちを示すために、贈り物をする。

那王もきっと、絆奈と一緒に未来を過ごしたいと思ったから、指輪を贈ったのだろう。

絆奈への“目に見えない”深い愛情を示すために━━━━━━

「…………てくださ…」

「え?きず、な?」

「那王くん、私を…お嫁さんにしてください……!」

「……/////いい、の…?
結婚、受け入れてくれるの?」
那王の目が、大きく見開かれる。

「……/////」
絆奈は微笑み、大きく頷いた。

「……っ…/////ありがとう!ありがとう、絆奈!
好き!好き!大好きだよ!」

あまりの嬉しさに、どう表現したらいいかわからない。
那王は、絆奈を力強く抱き締め“好き”と繰り返していた。


「━━━━━絆奈…絆奈…僕を見て?」
それから、寝室に移動し抱き合っている那王と絆奈。
繋がって、絆奈を組み敷いている那王。
絆奈の頬に触れ、自分の方に向かせようとしていた。

「や、やだ…恥ずかし…//////」

「ダメ…見て?」
少し強引に向かせた。

「ん…那王く…/////」
那王と絆奈の目が合う。

「あ…可愛い…/////
好き、好き…絆奈、大好き……!」

「……/////」
(那王くん、綺麗/////)

絆奈は、那王の心地よい声と綺麗な顔、繋がり包まれてる温かさ、そして愛されている喜びに酔いしれ浸っていた。
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