愛でられて、絆される
「……/////」

一気に、このモヤモヤした気持ちが晴れた。

どうして絆奈は、こんなに僕の心を掴むのが上手いの?
メッセージカード一つで、幸せな気持ちにさせてくれるなんて━━━━━

「……/////狡いよ…/////」

今すぐに絆奈に会いに行って、抱き締めて、キスをして、そのままくっついていたい。

那王は、メッセージカードを大切にデスクの引き出しにしまった。

それからは仕事がはかどり、スムーズに仕事を終えた那王。
「━━━━━━袴田」

「はい、お疲れ様です!何ですか?」

「今日は、ありがとう!」

「いいえ~
なんか、表情戻ったみたいですね!」

「うん、助かったよ!」

「どうせ絆奈ちゃん絡みなんでしょうけど、しっかりしてくださいね!(笑)」

「そうだね、もう…こんな事がないようにするよ!」
そう言って微笑むと、袴田も「よろしくお願いしまーす!」と微笑んだ。

「………」
笑顔の袴田を無言で見つめる。
そんな那王に、袴田は「何ですか?」と首をかしげた。

「袴田って、良い男だね。
モテるでしょ?」

「…………はい?
な、何ですか?急に……」

「君はチャラチャラしてるわりに周りをよく見てるし、仕事は誠実だから」

「そ、そうですか?
まぁ…女には不自由したことないですけど、オーナー程ないですよ?
オーナーの方が良い男だと思いますよ?」

「僕は、演じてるから」

「は?」

「良く思われたくて“そんな風に”演じてるんだ。
特に、絆奈の前ではね」

「へぇー、じゃあ…本性は悪い男なんですか?(笑)」

「そうだね、まぁ…悪いとは思わないけど……
本性は隠してるかな?」

「そうなんですねー(笑)
………まぁ確かにオーナー、裏ありそうですよね(笑)」

「そりゃあ、僕にだって色々あったからね……
この世に、完璧な人間も、順風満帆に生きている人間もいないよ?」

「ですよね(笑)」
「フフ…そうゆうこと!」

那王と袴田は微笑み合い「お疲れ様!」と別れた。


足早に自宅マンションに帰る。
「━━━━ただいま~!絆奈ー、メッセージありが………は?何これ!!?」

声をかけながら中に入る。
ダイニングキッチンのドアを開けると、部屋中薄い煙が充満していた。

「絆奈!!絆奈!!大丈夫!!?
絆奈、何処!!?返事して!!」

「那王く…ここ…」

「絆奈!!!?」
キッチンでへたりこんだ、絆奈がいた。
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