愛でられて、絆される
次の二人の休日。
那王と絆奈は、ショッピングに出掛けていた。

「━━━━ん!やっぱ、これだね!」
絆奈に、ワンピースをあて微笑む那王。

「那王くん、もういいよ?」

“服買いに行きたい”と言われ、那王の服を買いに来たと思いきや、絆奈の服で。

那王の手には、沢山の紙袋がぶら下がっている。

「ダーメ!
はい、着てみて?」
グッと、少し強く絆奈にワンピースを押しつけ微笑んだ。

「………」
(ご、強引だなぁ…)

絆奈はワンピースを受け取り、試着室に入った。
着替えて、試着室のドアを開けた。

「フフ…可愛い!
よし!これもね!」


「━━━━絆奈、次は買い出しね!」
店を出て、那王が微笑み言う。

「買い出し?」
「うん!買い出し!
この前のリベンジだよ!」

「リベンジ?」

精肉店で、ステーキ用の肉を二つ買う。
「那王くん、リベンジって……」

「フフ…僕と一緒なら、ステーキとケーキ作れるでしょ?
婚約者としての夜、やり直そ?」

「那王くん…
うん!ありがとう!」


自宅マンションに帰り、二人仲良く調理を開始する。
「よし!まずは、ケーキね!」
「うん!」

手際よく調理する那王の横で、指示を受けながら絆奈も調理をする。
とても穏やかで、心地よい時間が流れていた。

「━━━━わぁー、スポンジ綺麗~良い匂い~!」
「フフ…結構、上手く出来た!」

スポンジを冷やして、デコレーションする。

「「出来たっ!」」
「凄い!こんな立派なケーキ、初めて作った!」
「フフ…お疲れ様!」

「それに…/////」
「ん?」

「こうゆうの、良いね!」
「え?」

「一緒に、同じことをするってこと!
楽しいし、嬉しいし、ウキウキする(笑)」
「フフ…ウキウキだって!
絆奈って、ほんと可愛いね!」

「……/////」
顔を赤くする絆奈に、ゆっくり那王が顔を近づける。
「絆奈、良い匂いする。
甘くて、美味しそう……!」
そう言って、口唇が重なった。

「ん…もう(笑)」
「フフ…可愛いなぁー」

「……/////」
(甘いのは、那王くんだし…)

「……/////」

「ん?那王くん?」

「どうしよう…」
「ん?何?」


「僕、絆奈を抱きたくなってきた━━━━━━」
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