愛でられて、絆される
寝室のベッドの上。

向かい合って座っている、那王と絆奈。
那王が絆奈を足で挟んでいる。

「那王くん、ステーキ…」
「んー、後でね!」
絆奈の頬を包み込んで、啄むキスを繰り返す。

「那王く…/////」
「絆奈は…嫌?」

「え?」
「シたくないの?」

「そんなこと、ないよ?/////」
「じゃあ、いいよね?」

那王に服を脱がされ、バサッとベッドの下に落ちた。


━━━━━━━━━━
━━━━━━………………

「幸せ…/////」
二人とも果てて、那王の腕の中に包まれている絆奈。
頭の上から、ポツリと声が降ってきた。

見上げると、那王が微笑み頭を撫でていた。

「ん?」
「絆奈が腕の中にいて、いつでも抱き合えて、もう…離れる心配しなくていいから……!」

「そうだね…/////」

「んー、絆奈~」
「フフ…くすぐったいよー(笑)」
じゃれ合うように更に抱き締めキスしてくる那王に、絆奈は身動ぎ笑いながらもがく。

「あ!指輪!来週には、出来上がるからね!
絆奈の指にぴったりの指輪!」
絆奈の左手を持ち上げ、薬指をなぞり言った。

そして、自身の指を絡めて手を繋いだ。


それから一緒にステーキを焼き、ささやかなお祝いをする。
「絆奈、これからもよろしくね!」
「こちらこそ!末長くよろしくお願いします!」

「「乾杯!!」」
カチンとグラスが軽くぶつかる。

「んー!美味しい!
焼き加減も、完璧!
ありがとう、那王くん!」

「よかった!
━━━━━近い内、ご両親に挨拶させてね!
あと、叔母にも会ってほしい!」

「うん!!是非!
叔母さんって、どんな方なの?」

「うーん…厳しい人だよ。
でも、優しいんだ……!」

「厳しいけど、優しい…
んー、人物像が思い浮かばない…(笑)」

「フフ…そうだよね(笑)
仕事人間でさ。ずっと一人なんだけど、逞しくて、まさにキャリアウーマンみたいな(笑)
厳しいんだけど、叔母を尊敬してる人も多い。
本当の優しさを持ってる人。
相手を思うがこそ、厳しいことも言うみたいな!」

「そっか!
素敵な人なんだね!
フフ…だから、那王くんも素敵なんだ!」

「………」
口をつぐむ、那王。

「ん?那王くん?
どうしたの?」

「………ううん!
ありがと!」

「那王くん?」
那王の微妙な切ない表情。

絆奈の心に、小さなモヤモヤが棲みついた。
< 50 / 68 >

この作品をシェア

pagetop