愛でられて、絆される
絆奈が夕食の準備に向かったのを確認し、那王は手紙を取り出した。

「………」
(絆奈が寝るまでなんて待ってられない!)

那王は、絆奈からの弁当に添えてあるメッセージカードをいつも楽しみにしている。

絆奈からの言葉は、どれも那王に安心と元気をくれるからだ。

手紙やメッセージは、普段恥ずかしくて言えないことでもなぜか伝えることが出きるからか、いつも真っ直ぐな言葉を書いてくれる。

だから、この手紙も一刻も早く読みたい。

便箋を開け、中の手紙を取り出す。

「……/////」

【なおくんへ♡
今日は、記念すべき☆婚姻届提出日です!
今日から、なおくんの奥さんです!
この手紙を書いてる今も、ドキドキして手が震えてるよ(笑)
嬉しくて、なんだかくすぐったい気持ちです。
なおくん、私を奥さんにしてくれてありがとう!
中学生の頃は、想像もつかなったことが今起きていて、今でも信じられないくらいです。
だってあの頃、なおくんに惚れて、何度も告白をしようとしたけど、フラれたらってばかり考えてできなくて、でも傍にいたくて、このままの関係を続けたいと思ってて……
あの頃からずーーーっと、私はなおくんに絆されてます!
だから、責任をとってずーーーっと傍にいてください!
これからも、なおくんに愛でられながら、穏やかになおくんとの結婚生活を送りたいな!
これからも、よろしくね!私のたったひとりの旦那さん♡
絆奈♪】

「……っ…/////」
那王が、鼻をすする。


「那王くん!ご飯出来━━━━ん?
どうし━━━━━あーーー!!手紙!!
後からって言ったでしょ!
………え…那王くん、泣いてる…?」

「うー、絆奈ぁー!!」
抱きつく、那王。

「え?え?」

「感動したでしょ!
なんで絆奈は、こんな喜ばせる手紙が書けるのー」

「……/////」

「絆奈、ずっと傍にいるからね!」
向き直り、絆奈の頬を包み込んで言う那王。

「うん…/////」

「絶対、離さないから!」

「うん…/////」

「ずっと愛でて、抱き締めて、大切に囲うからね!」

「フフ…
私、益々絆される(笑)」

那王は「そうだよ!」と笑って、口唇を寄せた。



ずっと、ずーーーっと…愛でられて、絆されてね!

僕のたったひとりの奥さん………!






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