能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!

「まさか、そんな・・・。」

マリーは信じられないと言った顔で、メグに言った。

「いえ、よくあることなんです。気に入った女性に手を出すことは。」

「わ、わかりました。でも、そんな心配なさらなくても移動魔法を使えば、

すぐに城から出られますから。」

マリーが言うと、

「いえ、魔法は使わないでください。すぐに魔力探知でみつかります。」

「え?そうなんですか?」

「はい。王族の命を守るため、他国の魔法使いが侵入してもすぐ分かるように、魔力探知しているんです。

おまけに城全体を結界で守っているので、城内から外への移動魔法は使えません。」

マリーはごくりと唾を呑んだ。やはり、国を守るための魔法隊だけあって、レベルが違う。

「さ、とにかくこれに着替えてください。」

と言って、メグはマリーにメイド服を着せた。

髪もシンプルに後ろで低めのお団子にした。

前髪で目を隠すと余計に怪しまれるので、目が見えるよう横分けにし堂々とするよう言われた。

「城の裏手に使用人や業者用の通用門があります。そこを通って外に出てください。何か言われたら、

そうですね、ゲストのおつかいでとかなんとか言ってごまかしてください。」

「分かりました。」

「外に出るまで、魔法は決して使わないでください。それと・・・。」

「それと?」

「短い間でしたが、マリー様のお世話が出来てよかったです。どうかご無事で。」

メグは目に涙を浮かべながら言った。

マリーはメグとハグをすると、

「ありがとう、メグさん。」

と言った。
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