能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!

再会


ドサッ


ん?あれ?痛くない?

「本当に跳ぶのが好きなんだな。」

と、その声で、マリーは目を開けた。

なんとマリーはレオナルドの腕の中にいた。

マリーの目には、笑顔のレオナルドが映っていた。

「レオ・・・。」

レオナルドに抱きかかえられたまま、マリーの感情が一気に溢れ出した。

「レオ・・・良かった…生きてる。」

マリーはそのまま、レオの首に腕を回し泣きながら抱きついた。

「ああ。マリーのおかげだ。ありがとう。」

マリーは、2分ほどレオナルドに泣きながら抱きついた状態だったが、はっと我に返った。

「ご、ごめんなさい。降ろしてください。」

と言った。

慌てて、降りると、涙を拭いながらマリーは、

「あの、実は今とても急いでて。訳はあとで説明しますから、とにかく城の外に出たいんです。」

と言った。レオナルドは、

「分かった。外に出たいんだね。付いて来て。」

と言って、なぜか正門の方へ歩き出した。マリーは慌てて、レオナルドの背中側のシャツを掴むと、

「ま、待ってください!そっちは通れません!裏門からじゃないと!」

と言った。

「大丈夫だから。俺に任せて。」

と、レオナルドは笑顔で言った。

マリーは半信半疑ながらも、レオナルドの後に付いて行った。

レオナルドは堂々と歩いて行く。時々兵士や衛兵とすれ違うと、兵士や衛兵たちは、

レオナルドに向かって敬礼をし、それに対してレオナルドは軽く手の平を見せるだけだった。

マリーはレオナルドの後ろを歩き、兵士や衛兵とすれ違うたびに会釈し続けた。

「あの、レオはもしかして、お城で働いているんですか?」

と、マリーが不思議そうに聞くと、レオナルドは、

「ああ、まあ、そんな感じかな。」

と答えた。

レオナルドのおかげで、マリーは、想像以上にスムーズに城外に出ることが出来た。
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