能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
城への帰り道
マリーは、レオナルドに、
「あの、王子様のこと・・・私一体どうすれば・・・・。」
と言った。レオナルドは、
「大丈夫。堂々と断ればいいさ。必ず俺が何とかするから。」
と言った。
「そんな・・・・。相手は王子様ですよ。本当に断って大丈夫なんでしょうか・・・。」
マリーは不安になった。するとレオナルドは、歩くのをやめると、マリーの方を振り返った。
「マリー、一つ確認したいんだが。もう嘘は無しで答えてくれる?」
と言った。
「・・・はい。」
と、明らかに真剣なレオナルドの表情にマリーは返事をした。
「城壁での別れ際に、俺のこと愛してるって言ってくれた?」
と聞いた。その瞬間、マリーの顔が一瞬で赤くなった。
マリーは俯きながら正直に答えた。
「・・・い、言いました・・・。」
レオナルドは、その言葉を聞くと、マリーをぐいっと抱き寄せた。
「マリー、俺も愛してる。」
「え?でも私ずっと男のフリをしてたのに?」
「正直、どうかしてしまったと思った時もあったよ。でも、
前髪の長い、男の格好をしたマリーも、魔女のマリーも、メイド服を着たマリーも
どんなマリーでも愛してる。」
と、レオナルドはマリーを見つめながら言った。
そして、レオナルドの顔がゆっくりとマリーに近づいた。
マリーはそっと目を閉じた。
二人の唇がゆっくりと重なった。
大きな夕日が二人の想いを表すかのように、暖かいオレンジ色に染まっていた。