能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!

プロポーズ


レオナルドは、スタスタと歩き、マリーの後ろに立つと、そのままマリーの肩に手を置いた。

そして、

「紹介します。私の命の恩人で、魔女で、妻になる予定のマリーです。」

マリーは突然のことに固まった。

なになになに?何がどうなってるの?

「兄さん、遅いですよ。」

と、王子が言った。

「悪い。」

と、レオナルドは答えながら、マリーの隣の席に座った。

マリーは、

「あの、一体どういうことなんでしょう?」

と、レオナルドに言った。すると、王子が、

「兄さんは口下手だから、僕から話します。」

と言ってから、話し出した。

「父が(王様)が病に倒れ、王太子殿下兼騎士団長の兄が氷竜花を探しに旅に出て、

その間に、法律の改変も同時進行でしてたんだ。おそらくマリー、兄が君と出会ってしまったから。

旅の間もずっと手紙でやり取りしてね。で、魔女の義務の法律を先日撤廃したってわけ。で、兄の身体が

半分凍って城壁に置かれた時に、魔女の一人と眼が合っただろ。それで、君のことを捜させたんだけど、

なかなか見つからなくて。そんな時、なんと君の方から城に来てくれた。望んだ形じゃなかったけどね。

で、まあ、君が残してくれた氷竜花のおかげで、父の病も完治、兄の身体の氷も解け、全快。

で、また動けるようになった兄はすぐに、魔法隊を引き連れて、氷山に戻り、樹氷になった人を

元に戻したりしてたんだ。で、兄が帰ってくるまで、マリーが逃げない様、城に留めておくために、

君を見初めたふりをしたんだ。そうすれば、君に一目惚れした衛兵や兵士も手出し出来ないしね。

いやでもまさか、逃げ出すとは。どこでどう間違って夜這いになったのか・・・。僕はただ、兄の

冒険談を聞きたかっただけなんだよ。でも、兄に飽きたら、いつでも僕の側室に迎えるから。」

と言って、マリーに向かってウィンクをした。

マリーはぽろぽろと涙を零していた。

あの手紙は恋人や家族への手紙ではなく、法律を変える手続きをしてくれていたんだ。

自分も大変だったのに、すぐに樹氷になった人達も助けに行ったり・・・。レオ・・・・。


王様は、一通り話を聞いて、

「そういうことは私にも事前に言っておきなさい。」

と言った。レオナルドは、

「次回からそうします。」

と言った。

そして、レオナルドはマリーの横で膝まづき、マリーの手を取ると、

「私と結婚してください。」

と言った。

マリーは零れ落ちる涙をそのままに、

「・・・はい。」

と、返事した。

レオナルドはマリーの耳元に顔を近づけると、そっとマリーにささやいた。

「俺も嘘をついてごめんなさい。本当は王太子で、名前はレオナルドじゃなくて、

レオンハルトなんだ・・・。」

マリーは思わずぷっと噴き出すとレオンハルトに抱きついた。

「どっちでもいいわ。レオ。」



王様と王子は、抱き合う二人を眺めながら、乾杯した。


Fin
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