能ある魔女は目を隠す？！二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました！

新パーティー

男は、そのままカウンターに行くと、ビビアンに

「応募はあったか？」

と聞いた。ビビアンは、

「あ！ちょうどお勧めしたい人材が！」

と言って、その男をマリーの前に連れて来た。

その男はマリーを見ると、

「まだ子供じゃないか!」

「若く見えますが、こう見えて19歳なんです。彼、ああ見えてとても優秀なんですよ。」

「ふーん。」

あきらかに乗り気でないのは分かった。

「なかなか評判のお世話係で実績もありますし、人気もあって、今回たまたま空きが出たんですよ。
ラッキーですよ、旦那。それにご希望のBランク以上です。」

と、ビビアンは笑顔で説明する。

「う～ん。」

男は明らかに困惑しているようだった。するとビビアンが、

「正直、この時期に空いているランク上位の人を見つけるのはかなり無理があります。
それに男性限定となると、執事を引退した方々になるのでSランクSSランク
が多く、すでに他のパーティーに入っているので。」

その話を聞いて、男は、納得したようで、

「わかった。彼にお願いしよう。」

と言った。続けて、男はマリーの前に手を出し、

「私はレオナルド。レオと呼んでくれ。」

と言った。マリーも戸惑いながらも手を差し出すと、しっかりと掴まれた。

「レオ様。私はマリー・・・ウスです。」

マリーと言いかけたところで、咄嗟に誤魔化した。

「マリウス、よろしく。」

と、言って、がっちりと握手をした。

マリーは背中に冷たい汗が伝うのを感じた。