能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!

マリーは、水を汲み終えると、今度は、きのこを採った。

野営地に戻ると、マリーは手慣れた手つきで着火石で火を起こした。

なぜかその様子をレオナルドがじっと見ている。あまり見られると作業がやりにくい・・・。

とりあえず、マリーは気にしないことにし、てきぱきと食事を作り始めた。

鍋の水が沸騰したところで、荒く切ったきのこを入れ、リュックから出したベーコンを切り、
マリー特製の香辛料を鍋に入れさらに煮込む。

持ってきたパンを切る。

ぐつぐつといい香りが広がり、スープが完成した。マリーはスープを器に注ぐと、レオナルドに
パンと一緒に渡した。

「どうぞ。」

「いただきます。」

マリーはその一言に嬉しくなった。
今までいろんなパーティーで食事を作り続けてきたが、いただきますと言われたことは一度もなく、初めてだった。
みな、給与を払っているのだから作って当たり前という感覚で、作っても感謝されたことはなかったからだ。

「うん、うまい!!」

「ありがとうございます。」

「評判通りだな。マリウスと組めてよかったよ。」

「ありがとうございます。」

マリーはさらに嬉しくなった。
そして、レオナルドはスープをおかわりしてくれ、マリーの手料理を褒めてくれただけでなく、
態度でも示してくれた。

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