能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
騒ぎを聞きつけ、店主がやってきた。
明日の朝、一番に地元の騎士団に男を引き渡すことになった。



マリーは一人、部屋でレオナルドが運んでくれたお風呂のお湯で身体を
拭いていた。あの男に触れられたところをごしごしと赤くなるまで
拭き続けた。

マリーはまた涙が溢れそうになったが、それを止めたのはレオナルドだった。
レオナルドのことを考えると温かい気持ちになる。
何も言わず抱きしめてくれたり、今もこうしてお湯を運んでくれた。
そして今も、何も言わず部屋の外で待っていてくれている。

マリーが求めなくても、レオナルドは大きな優しさでマリーを包んでくれる。

だめだめ、レオのことを好きになっちゃ。この優しさも同情だ、私のことを
子供で男の子だと思っているからで・・・。
しかも男と偽って・・・レオを騙しているのに。

絶対に女だとバレてはいけない・・・。


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