能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
「おはようございます。レオ、起きてますか?」
テントの外からマリウスの声がした。
もう朝か・・・。
レオナルドは起き上がると、テントを出た。
「おはよう。マリウス。」
「朝食の準備が出来てますよ。」
「ああ、すぐに顔を洗ってくる。」
レオナルドはそう言うと、近くの水辺に顔を洗いに行った。
レオナルドが戻って来たタイミングで、器にスープを入れながら、
「珍しいですね。昨夜はあまり眠れませんでしたか?」
と、マリウスがレオナルドに聞いた。
「ああ、ちょっと考え事をしていてね。マリウスは眠れたか?」
と、言った。
「はい。もうぐっすり。」
と、マリウスがうれしそうに言った。と言っても前髪で目は見えないが。
マリウスは、スープの入った器をレオナルドに手渡した。
温泉につかって気持ちよく眠れたんだろうな。
と、レオナルドは心の中で思った。
朝食を終えると、レオナルドが、
「この先あたりから、魔獣が出没する確率が高いらしい。」
「・・・はい。」
マリウスの表情が一気に硬くなる。
「決して俺の傍を離れないように。」
「はい。」