能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
ピチチチ
朝、小鳥のさえずりでマリーは目を覚ました。
ゆっくりと目を開けると、声にならない声で、
「#$%&??!!」
と、叫びそうになった。
自分の置かれた状況にとても驚いた。
レオナルドの腕の中で、前髪が全開の状態だったのだ!
マリーは急いで頭の中を整理した。
そうだ、昨日は一緒に寝たんだった。
マリーの鼓動が早くなる。マリーは、ゆっくりと慎重にレオナルドの腕からすり抜け、寝袋から出ると、
慌てて前髪を整えた。
そして靴下とブーツを履くと、大急ぎでテントから外に出た。
天気も良く、空もよく見える。
マリーは、自分のうるさい鼓動を落ち着かせようと、ゆっくりと大きく深呼吸をした。
朝の冷たい空気が一気に肺に入ってきて、頭も身体もすっきりと目が覚めた。
そして、次第に冷たい空気が、マリーの火照った身体を冷ましていった。
マリーは、髪を結び直し、ブーツの紐もしっかりと結び直した。
「よし!」
と言って、振り返ると、レオナルドが、テントから顔を出した。
「マリウス、おはよう。」
「お、おはようございます!レオ。」
マリーは、昨晩レオナルドと一緒に寝たことを思い出してしまい、動揺しながらもしっかりと挨拶した。
「昨日はよく眠れたかい?」
「はい、おかげさまで。レオは?眠れましたか?」
「ああ。」
と、レオは答えた。しかし、本当は、なかなか眠れなかった。
自分の腕の中で安心して眠るマリウスに、高ぶる気持ちを抑えるのにかなりの時間を要した。
「今日は、このまま出発しよう。昼には氷山入り口の冒険者協会につくはずだ。」
「わかりました。すぐに出発の準備をします。」
「冒険者協会に着いたら、いっぱい食べよう。それまで頑張ってくれ。」
「はい!」
マリーはくすくすと笑いながら返事をした。
レオナルドがまるで親のようなことを言うからだ。
二人は、手際よくテントを片付けると、すぐに出発した。