能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
氷山冒険者協会
2人が、山道から出てくると、村人が大勢集まっていた。
「何かあったんでしょうか?」
マリーが不思議に思い、レオナルドに言った。レオナルドは村人のことは気にも留めず、
「さあ。とりあえず、俺たちは冒険者協会に行こう。」
と言った。マリーはレオナルドに従い、
「はい。」
と言い、村人たちと少し距離をとりながら、通り抜けようとした。
しかし、村人たちは、二人を見ると、笑顔で拍手をしながら、まるで花道を作るかのように二人を取り囲んだ。
マリーは突然のことにキョロキョロしながら動揺する。
「一体どうしたんでしょうか。」
レオナルドは動じず、冒険者協会に向かって歩いて行く。
2人が花道に近づくと、村人たちは、口々に
「ありがとう!!」
「ありがとうございます!」
と、拍手をしながら笑顔で二人に向かってお礼を言い始めた。
レオナルドは村人たちには一切動じることなく、スタスタと冒険者協会に入って行った。
マリーは少し場違い感を抱きながら、申し訳なさそうにレオナルドの後に続いた。