能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
2時間後

宴会は相変わらず、盛り上がっている。

すると、店主がやってきて、レオナルドの耳元に何やらこそこそと耳打ちをした。

レオナルドは、

「マリウス、すまない。悪いが少し席を外す。」

と言いながら、席を立った。

「はい。わかりました。ここで待ってます。」

と、マリーは答えた。

レオナルドが食堂から出て行くのをマリーは目で追っていた。マリーはいつの間にかレオナルドの姿を

目で追うようになっていた。そしてその時間がなぜだか心地いいと感じていた。

レオナルドの姿が見えなくなってから、マリーはジュースを一口飲むと、コップをテーブルにそっと置いた。

マリーがコップをテーブルに置くと同時に、マリーの背後から、聞きなれた声で名前を呼ばれた。

「マリー、ずいぶん探したんだよ。」

その声に、マリーはさっきまでの心地いい気分が瞬時に覚め、

背筋が凍るほどゾッとした。息の仕方を忘れるほど、恐怖で身体が硬直した。



マリーは怖くて振り向くことが出来なかった。

すると、その声の主は、マリーの真横の椅子に、ドカッと座り、手に持っていたビールをテーブルにドンと置いた。

そして肘をつきながら、マリーの顔を覗き込むようにマリーの視界に入ってきた。

声の主は、勇者ミハエルだった。




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