能ある魔女は目を隠す？！二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました！

特別室

マリーは部屋に入るなり、ホッとした。

とにかく一秒でも早くあの空間から抜け出したかったからだ。

その様子にレオナルドは、

「だいぶ疲れているようだな。早くゆっくり休め。明日からまた大変だから。」

と言って、マリーを軽々持ち上げると、ベッドに座らせた。

そして、レオナルドは体を屈ませ、マリーのブーツを脱がせ始めた。

「ええ？！レオ、自分で出来ます！！」

マリーは慌てて、レオナルドを止めようと、レオナルドのがっちりとした肩に触れた。

しかしレオナルドは構わず、

「無理するな。顔色が悪いぞ。」

と言って、マリーの両足のブーツと靴下を脱がせると、そのままマリーの両肩に手を置き、そっと

ベッドに押し倒した。


ひゃあああっっ～！！！

マリーは驚きのあまり、声が出ず、心の中だけで叫んだ。

近づいたレオナルドの端正な顔立ちが、マリーの心臓を壊しかけた。

マリーは真っ赤になり、両手で顔を覆った。

レナルドは、そのままマリーに毛布を掛けた。

そして、優しく頭を二度ぽんぽんと撫でると、

「ゆっくり休め。」

と言って、ベッドから離れた。

マリーは先ほどの状態から動くことが出来ず、マリーの心臓はレオナルドがベッドから離れた後も、激しく騒いでいた。


しばらしくしても、マリーは眠りに付くことが出来ず、仕方なく寝たふりをしていた。

レオナルドは手紙を書いていたようで、静けさの中、ペンを走らせる音だけが聞こえていた。

ペンの音が鳴りやみ、そろそろレオナルドも寝るようだ。

マリーは目を閉じ、音だけで判断していた。

すると、マリーの顔半分にかかる前髪を、レオナルドの大きな手がかきあげたのだ。

マリーの顔が露わになった。

マリーはかなり驚いたが、寝たふりを決め込んだ。

すると、柔らかくあたたかいものが、そっとマリーのおでこに優しく触れた。

目を閉じていても分かる。間違いなくレオナルドの唇だ。

えー？！キスされた？？？！！！

マリーは混乱した。

レオナルドは、マリーの前髪を元に戻すと、優しく整えた。

それから、何事もなかったように、レオナルドも自分のベッドに入った。

マリーの鼓動は再び騒ぎ出し、さらに寝付けなくなった。