能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!

氷山へ出発


翌朝

まだ暗いうちに、レオナルドとマリーは店主に挨拶を済ませると、

冒険者協会の宿を出発した。

マリーはホッとしていた。うまくいけば、このまま勇者ミハエルから逃げられる。

午後から天気が崩れるらしいので、それまでにアイスドラゴンのいる氷山の中継地点にある

山小屋まで行く予定だ。

レオナルドが用意してくれた、ビッグラビットの毛皮は温かく、雪山用ブーツもとても重宝した。

マリーの姿に、レオナルドは目を細めた。試着した時も確かに美しかったが、雪の中で見る彼女の姿は、

さらに美しく、息を飲むほどだった。


一歩氷山に入ると、深い深い雪の中、なかなか思うように進まず、天候も崩れてきて、吹雪出した。

かなりの時間を要したが、二人は何とか夕方に目標の山小屋に到着した。

氷山の吹雪にも耐えられるようレンガ造りのしっかりとした山小屋だった。

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