能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
その本には、氷山のありとあらゆることが書かれていた。
猛吹雪の翌日は晴れること。
アイスドラゴンは睡眠時間が異常に短いこと。
アイスドラゴンの巣の寝床の周りに氷竜花が咲くということ。
氷竜花は一度咲くと、枯れないこと。
そして、その枯れない力を宿していることで、その花の抽出液には、
どんなケガや病気も治してしまう力があること。
アイスドラゴンが死ぬと、氷竜花も枯れてしまうこと。
アイスドラゴンの吐く氷炎は、一瞬で何もかも凍らせてしまうこと。
氷炎で凍らされた生物は、魔女の力でないとその氷を解かすことができないこと。
興味深い、重要な内容が書かれており、マリーは眠ることなく、どんんどんと読み進めていった。
すると、100年以上前の氷竜花を採取することが出来た、パーティーの話が載っていた。
その冒険者の中に、とても魔力の高い魔女がいたこと。
そしてその魔女が、眠りの魔法を使って、5分間アイスドラゴンを眠らせたことにより、
氷竜花を採取することが出来たこと。
本には更に、その魔女が使ったとされる、眠りの魔法の呪文が書かれていた。
魔女○○の名において
私はあなたを傷つけることはないでしょう
ドルミール ドルミール ドルミール
マリーはこれだ!
と思った。この呪文を覚えれば、レオの力になれるかもしれない!!
でも、一体どうやって・・・目の前で唱えれば魔女だとバレてしまう。
それに、魔力の高い魔女しか使えない魔法だ。私が唱えたところで、
魔法がかかるかどうかも怪しい。
いや、とにかくやるしかない!
マリーは、呪文を覚えると、さらに読み進めていった。
マリーは時々、薪を足しながら、本を読み続けた。
しかし、マリーはいつのまにか、本を開いたまま眠ってしまった。