能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
マリーは、レオナルドがのことが気になってはいたが、眠気には勝てず、
あれから二時間ほどぐっすりと眠った。
マリーは目を覚ますと、ベッドから出て、隣の部屋に行った。
レオナルドがベッドに寝かされていた。
顔面蒼白で、かろうじて呼吸をしているという感じで、いつ止まってもおかしくない状況だった。
マリーは、レオナルドの頬にそっと手を触れ、
「もう少し頑張って。必ず助けるから。」
と言うと、部屋を出て、そのまま店に下りて行った。
冬になると、冒険者の数もめっきり減り、1階の店内は人もまばらだった。
ビビアンは、フロントのカウンターで、ぱちぱちとそろばんをはじき、何やら計算をしているようだった。
マリーが下りてきたことに気づき、ビビアンは手を止めると、カウンター越しに、
「マリー、具合は?」
と聞いた。
「もう大丈夫。ありがとう。」
と、マリーは悲しそうな笑顔で答えた。
「レオナルドさんが心配なのね。でも今の私たちに出来ることは魔法隊が来るまで、待つことしか・・・。」
と言いかけたところで、マリーがビビアンの言葉を遮った。
「ビビアン、お願いがあるの!」
と、マリーはカウンター越しのビビアンの手を取りながら、懇願した。