能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
魔法隊の一人が、ビクッとなった。

近くにいた兵士が

「どうかしましたか?」

と言うと、

「魔力を感知した!」

と言うと同時に、手に持っていた杖を二回振ると、魔法隊の身体がぶわっと、宙に浮いた。

そして、兵士が呆気に取られているのをよそに、魔法隊はものすごいスピードで飛んだ。



マリーとレオナルドは、城壁の前にいた。

マリーはレオナルドに、

「レオ、生きて・・・。愛してる。」

と言うと、そっと唇を重ねた。

レオナルドの腕がゆっくりとマリーの頬に触れようと伸びて来た。


魔法隊がものすごいスピードで迫っていた。

「あの角を曲がれば・・・」

魔法隊はそう思いながら猛スピードで角を曲がった瞬間、マリーと魔法隊の目が合った。

「みつけた!」

魔法隊がそう思った次の瞬間、マリーの姿は跡形もなく、その場から消えた。

レオナルドの手はマリーの頬に触れることなく、だらんと落ちた。



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