能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
「ごめん、ビビアン、見られたかもしれない・・・。」
マリーの姿は、再び草むらの中のビビアンの元に帰って来ていた。
「しっ!」
ビビアンは、マリーを止めると、双眼鏡で、城壁の方を確認した。
「このお方は!!すぐに担架を!!魔法隊長と、騎士団長に知らせて!!」
と言うと、にわかに城壁の周りがバタバタをと騒がしくなっていった。
ビビアンは、何を話していたのかまでは聞き取れなかったが、様子を見る限り、
魔法隊が集まり、レオナルドは、丁重に担架で城門の中に運ばれて行ったので、きっと助かると確信した。
一方、マリーはぐったりとしていた。連続で移動魔法を使ったしわ寄せがきたようだった。
ビビアンは、マリーを背中におぶると、冒険者協会に向けて、帰って行った。
ビビアンが、冒険者協会の前までくると、何やら人だかりが出来ていた。
ビビアンが、知り合いの近隣のおばちゃんをみつけ、
「何かあったんですか?」
と聞くと、おばちゃんは、
「ビビアンちゃん!大変よ!あんたのとこに魔女がいるとかで、兵隊さんが来てるのよ!」
と、教えてくれた。
それを聞き、ビビアンは、ゆっくり後ずさりしかけると、
「あいつです!!あいつが魔女です!!」
と、ビビアンの方を指さし、大声で叫ぶ男がいた。
そう、その男こそ、勇者ミハエルだった。