能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
マリーはギュッと目をつぶって恐る恐る手を伸ばした。
これで魔女だと証明されれば、ビビアンとおじさんに魔女を匿っていた罪で迷惑がかかってしまう・・・。
マリーは自分が魔女として捕まることよりも、ビビアンとおじさんの事が気がかりだった。
でも、この状況ではもう逃げられない・・・。
そして、とうとうマリーの手が水晶玉に触れた。
「はい、ありがとうございます。」
という兵士の声に、マリーは目を開けた。
見ると、水晶玉は、ビビアンの時と同じように、色の変化は起きなかった。
「そ、そんな!何かの間違いだ!!そうだ、この水晶玉、壊れてるんじゃないか!」
一人納得のいかない勇者ミハエルが騒ぎ出した。
兵士は面倒くさそうに水晶玉を袋に直すと、くいっと顎を動かし、
他の兵士に水晶玉を出させた。
さっきと同じように、ビビアンとマリーに再度水晶玉を触らせた。
しかし、結果は同じで、水晶玉の色は変わらず、
「魔女はいない」
と、結論付け、兵士たちが店を出ようとした時、勇者ミハエルが、
「そんなはずない!この女は魔女です!もっとちゃんと調べてください!!」
と暴れ出した。
兵士たちは、すぐさま勇者ミハエルを取り押さえると、
「これ以上、言うようなら、偽証罪でお前を捕まえるぞ!」
と言った。
勇者ミハエルは、その言葉に大人しくなり、兵士とともに、渋々店を出た。