能ある魔女は目を隠す？！二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました！

魔法塔

魔法塔

外から見た時は、細長い塔で、狭い建物かと思っていたが、中に入ると、

外観からは想像も出来ないほど、広かった。

「すげえな・・・。」

勇者ミハエルは当たりを見回しながら、目を丸くして呟いた。

魔法塔の中では、黒いワンピースに身を包んだ魔女たちが、大勢、せわしなく働いていた。

魔女たちは皆、黒い髪に紫色の瞳で美しい顔立ちをしており、巻き毛やストレートヘア、ショートカットなど、

各々髪型に特徴があった。

すぐに魔法隊であろう長い髪の魔女の一人が、勇者ミハエルに近づいてきて、

「ようこそ、おいでくださいました。」

と言った。

そして魔女は、マリーの顔を確認すると、

すぐにそばにいた別の魔女に耳打ちをした。

耳打ちされた別の魔女はすぐにその場を離れた。

勇者ミハエルは、

「いくらいただけますか？」

と、うきうきしながら、魔女に聞いた。すると魔女は、

「まず、確認したいことがあります。王太子殿下が来られるまで、あちらで膝をついて

お待ちください。」

と、謁見の間の方を指さして言った。

勇者ミハエルは、

「王太子殿下自らここに来られるということは、これは相当もらえるのかもな！」

と、期待に胸が膨らみ喜び出した。


勇者ミハエルは、案内されるまま、謁見の間へ移動した。