能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
謁見の間
「魔法塔の中にも謁見の間があるんだな。」
と、感心しながら謁見の間を見回した。
赤い絨毯が敷かれており、一段上がったところに、玉座があった。
バタバタバタッ!
扉の向こうからものすごい足音が聞こえてきた。
ドサッ
勇者ミハエルは、肩に担いでいたマリーを無造作に放り投げると、
すぐに片膝をつき、頭を垂れた。
バタン!
扉が勢いよく開き、ツカツカと、勇者ミハエルのすぐそばまで来て足音が止まった。
しかし、王太子殿下は、勇者ミハエルではなく、すぐさま横たわるマリーに駆け寄っていただけだった。
王太子殿下は、気を失っているマリーを抱きかかえると、
「彼女で間違いない。」
と、魔女に言った。それからすかさず、
「ん??なぜ彼女の頬が腫れている?」
と、王太子殿下は聞いた。
勇者ミハエルは、
「こいつが言うことを聞かなかったので、まあ、しつけみたいなもん・・・。」
と、途中まで答えたところで、勇者ミハエルの身体が宙に浮いた。
王太子殿下が、勇者ミハエルの胸ぐらをつかみ、そのまま持ち上げたのだ。
王太子殿下の腕は、床と平行になっており、まっすぐ伸ばしているだけだが、
身長差があるため、勇者ミハエルの足は宙に浮いていた。
どんどん首が絞まり、勇者ミハエルがバタバタと足をばたつかせ苦しみ出した。
「殿下、彼女の治療を優先した方が。」
と、魔女が言うと、王太子殿下は、パッと手を離した。
手を離したと同時に、勇者ミハエルは床に落ち、四つん這いの状態で、
「ゲホゲホゴホッ!!ガハッ!」
と、咳き込んでから、ゼイゼイと息を切らした。
「すぐにヒーラーを呼べ。それから、私が帰ってくるまで、彼女を丁重にもてなして、
決して城の外に出さぬよう。」
「かしこまりました。それで、こっちの男はどうしましょう?」
と、魔女が聞くと、
「地下牢へ」
と言った。魔女はもう一度、
「かしこまりました。」
と言った。
魔女の合図ですぐさま兵士が二人やってきて、勇者ミハエルを捕らえた。
「ちょっ、ちょっと!なんでだよ!?魔女を連れて来たんだぞ!報酬は?
報酬をくれよっ!!」
と、兵士に後ろ手を拘束されながらも、勇者ミハエルは必死に叫んだ。
その時、勇者ミハエルはやっと王太子殿下の顔を見ることが出来た。
「お、お前はあの時の・・・。」
と、言いかけ、驚きのあまり勇者ミハエルはそのまま絶句した。
勇者ミハエルは、一度王太子殿下を見かけていた。
そう、氷山の麓の冒険者協会で・・・。
王太子殿下は、マリーとパーティーを組んでいた男だった。
がっくり肩を落としている勇者ミハエルに、魔女が言った。
「最近法律が変わってね。魔女の義務がなくなったんだよ。残念だったね。
魔女を連れて来ても一銭にもならない。それどころか、誘拐罪で牢屋行だ。」
勇者ミハエルは、全身の力が抜け、引きずられるように連れて行かれた。
「魔法塔の中にも謁見の間があるんだな。」
と、感心しながら謁見の間を見回した。
赤い絨毯が敷かれており、一段上がったところに、玉座があった。
バタバタバタッ!
扉の向こうからものすごい足音が聞こえてきた。
ドサッ
勇者ミハエルは、肩に担いでいたマリーを無造作に放り投げると、
すぐに片膝をつき、頭を垂れた。
バタン!
扉が勢いよく開き、ツカツカと、勇者ミハエルのすぐそばまで来て足音が止まった。
しかし、王太子殿下は、勇者ミハエルではなく、すぐさま横たわるマリーに駆け寄っていただけだった。
王太子殿下は、気を失っているマリーを抱きかかえると、
「彼女で間違いない。」
と、魔女に言った。それからすかさず、
「ん??なぜ彼女の頬が腫れている?」
と、王太子殿下は聞いた。
勇者ミハエルは、
「こいつが言うことを聞かなかったので、まあ、しつけみたいなもん・・・。」
と、途中まで答えたところで、勇者ミハエルの身体が宙に浮いた。
王太子殿下が、勇者ミハエルの胸ぐらをつかみ、そのまま持ち上げたのだ。
王太子殿下の腕は、床と平行になっており、まっすぐ伸ばしているだけだが、
身長差があるため、勇者ミハエルの足は宙に浮いていた。
どんどん首が絞まり、勇者ミハエルがバタバタと足をばたつかせ苦しみ出した。
「殿下、彼女の治療を優先した方が。」
と、魔女が言うと、王太子殿下は、パッと手を離した。
手を離したと同時に、勇者ミハエルは床に落ち、四つん這いの状態で、
「ゲホゲホゴホッ!!ガハッ!」
と、咳き込んでから、ゼイゼイと息を切らした。
「すぐにヒーラーを呼べ。それから、私が帰ってくるまで、彼女を丁重にもてなして、
決して城の外に出さぬよう。」
「かしこまりました。それで、こっちの男はどうしましょう?」
と、魔女が聞くと、
「地下牢へ」
と言った。魔女はもう一度、
「かしこまりました。」
と言った。
魔女の合図ですぐさま兵士が二人やってきて、勇者ミハエルを捕らえた。
「ちょっ、ちょっと!なんでだよ!?魔女を連れて来たんだぞ!報酬は?
報酬をくれよっ!!」
と、兵士に後ろ手を拘束されながらも、勇者ミハエルは必死に叫んだ。
その時、勇者ミハエルはやっと王太子殿下の顔を見ることが出来た。
「お、お前はあの時の・・・。」
と、言いかけ、驚きのあまり勇者ミハエルはそのまま絶句した。
勇者ミハエルは、一度王太子殿下を見かけていた。
そう、氷山の麓の冒険者協会で・・・。
王太子殿下は、マリーとパーティーを組んでいた男だった。
がっくり肩を落としている勇者ミハエルに、魔女が言った。
「最近法律が変わってね。魔女の義務がなくなったんだよ。残念だったね。
魔女を連れて来ても一銭にもならない。それどころか、誘拐罪で牢屋行だ。」
勇者ミハエルは、全身の力が抜け、引きずられるように連れて行かれた。