能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
「あの・・・見初められるかもっていうのは?」
「はい、おそらく王子も同席されると思いますから。年齢も近いですし、マリー様を一目見れば、
お妃に望まれるかもしれません。」
「お妃・・・。それはお断り出来るものなのでしょうか?」
マリーがメグに不安そうに聞いた。
過去のパーティーでも男の人で揉めたことがあるだけに、マリーの不安が膨らんだ。
「お妃なんて、すごい玉の輿じゃないですか?断るなんて勿体ない!あ、もしかして、
既に恋人がいらっしゃいますか?」
「恋人なんてとんでもない。私が一方的に想ってるだけなので。」
「恋人ではないのならいいじゃないですか。王子の方が将来安心じゃないですか?」
「結婚は好きな人とするものでしょ?」
「まあ、考え方にもよりますが、王子はハンサムだし優しいし、一緒にいれば
きっと好きになると思いますよ。」
「でも・・・。」
と、マリーは少し気落ちしながら言った。メグはその様子にすぐにしまったと思い、
「すいません。マリー様。冗談です!まだ見初められると決まったわけではありませんから。」
と、慌てて、取り繕った。
マリーは薄紫色のドレスに美しく着飾り、前髪もきれいに横に長し、マリーの美しい顔が露わになった。
「さ、準備が出来ました。王様がお待ちですので、参りましょう!」
と、言って、メグは、扉の前で待機していた兵士と執事に交代し、マリーを託した。
執事は、マリーに簡単に挨拶を済ませると、
「では、マリー様、参りましょう。」
と言って、城内の謁見室へマリーを案内した。