能ある魔女は目を隠す?!二つの秘密を抱えたお世話係は知らない間に王子に溺愛されてました!
メグは再び部屋に入り、ゆっくりと扉を閉めた。
メグの青ざめた表情に、マリーは、
「どうかされましたか?」
と、聞いた。
「マリー様、もう一度確認させてください。」
と、メグは、神妙な面持ちで言った。
「はい?」
マリーは訳が分からず、返事をした。
「マリー様は好きな人がいるんですよね?」
「は、はい。」
マリーは顔を赤らめながら答えた。
「王子と会われてどう思いましたか?王子の妃になるつもりはありませんか?」
「なんとも・・・妃になるつもりもありません。」
「ですよね・・・。分かりました。すぐ戻るので、お茶をしていてください。」
と言って、お茶とケーキや焼き菓子が並んでいるテーブルにマリーを着かせた。
メグはバタバタと、部屋を出て行った。
マリーは、状況がいまいち吞み込めなかったが、美味しそうな焼き菓子を頬張った。
しばらくして、メグが戻ってきた。
手にはメイド服を抱えていた。
メグは深刻な顔で、マリーに言った。
「マリー様、逃げてください。今晩王子が夜這いに来ます。」
そう言うと、マリーに自分の予備のメイド服を差し出した。