もう一度キミと青春を。
「わかんない。けど…抱きしめたくなった」


ずっとずっと頑張ってるんだね。


痛い思いをしても、苦しい思いをしても、学校に来たら明るく皆を笑顔にしてくれる。


どうか、頑張りすぎないでほしい。


壊れちゃう前に、逃げることも考えてほしい。


「ありがとう。日和が心配だし、そろそろ帰るね。今日した話は絶対秘密な。学校では聞かなかった体で接して」


「わかった。じゃ…また明日」


蒼空と別れ、家の中に入る。


「花純ちゃんおかえり!デートどうだったの?」


おばあちゃんが温かく出迎えてくれた。


…これは、当たり前の光景じゃないんだ。


学校で嫌なことがあって、親との折り合いも悪くて、私はここへ逃げてきた。


父親が逃してくれたようなもの。


でも、逃げられない家庭もある。


私が育った環境より何百倍も大変で過酷な環境で生きていくしかない人がいる。


「ただいま。蒼空とおそろいのキーホルダー買ったよ」


こんなふうに話を聞いてくれる家族がいることは、幸せなことなんだ…。
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